プロフィール

jardio

Author:jardio
主に霖之助、東方香霖堂関係のSSを書いているサイトです。

書いてある内容にいやな予感を感じた方は、容赦なく戻って下さいませ。

趣味の合う方々は是非どうぞ。

また、書いてある内容の無断転載等はお控え願います。

連絡用メールアドレスはこちら。
jardiorinsure☆hotmail.co.jp
☆を@に変えてお送りください。

SkypeIDは此方。
[jardiorinsure]

リンクはフリーとなっておりますが、ご一報頂けると幸いです。

SSや落書きなんかをポツポツと修行中。


FC2カウンター
ツイッター
TOHO CLOCK

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-

Comment

Comment Form

Comment Form
管理者にだけ表示を許可する
-

Trackback

Trackback URL

60

編集中。阿霖(5)

ゆっくり待っててね!!




「で、その結果がこの様か。全く・・・」

「・・・うぷ」

「頼むから、背中で戻すのだけは止してくれよ。」

「・・・・もう、む、り・・・」

「!?」

おろろろろろろ。






結論から言えば、彼女は御汁粉を食べ切る事に成功した。

恥ずかしながら、最後の方でこっそりと応援していたのは内緒である。

だが、流石に屋台を食べ歩いた胃に、煮えた御汁粉をあれだけ詰め込んだのは不味かったらしい。

終わると同時に水を気持ち悪そうに飲むと、こうなったのはお前のせいだ何だと非難を浴びせられ、周囲の女性たちからも冷ややかな視線が飛ぶ始末。

流石に居心地が悪くなって来たので、店主から賞品を代わりに受け取って退散して来たのだが・・・








「・・・・・ハァ」

「・・・・・すみません、でした・・・」






首筋に生温かい感触を感じながらたどり着いたのは、朝方この子を迎えにやって来た、稗田の屋敷。

出迎えてくれた方々がすぐに湯を用意してくれたおかげで、汗と共に汚れも洗い流すことが出来た。

入る前に手渡された甚平を着込んで彼女の自室に向かうと、先程とは別の浴衣を着込んだ阿求がそこに居た。

俯いたまま、じいっと庭のほうを見つめながら。

「・・・入っても、良いかな?阿求・・・」

「・・・・・・どうぞ」

「・・・失礼するよ」

屋敷の庭を眺め続ける彼女の横に、腰を下ろす。

彼女は押し黙ったまま、ただ庭を眺め続ける。

聞こえるのは、狂ったように泣き続ける蝉たちの音だけ。

朝から心地よく吹いていた風は、今は無く。

軒下に吊るされた風鈴は、僕の期待も虚しく、何の音も奏でないまま。

ただ沈黙と共に、ゆっくりと時間が流れる。

静けさに耐え切れず、何か切り出そうと思った矢先、

「・・・子供、なんですよね、私・・・」

彼女が、口を開く。

「・・・どういう意味だい?」

「・・・今日一日、二人で祭りを巡っている間、本当に楽しかったです」

「・・・ああ、僕もだよ、阿求」

「でも、結局あなたに迷惑をかけてしまって、こんな・・・」

「・・・別に気にすることじゃあ無いさ。君の目当ての商品も手に入れたんだし」

「・・・でも、一日中、貴方を振り回して・・・」

「・・・ハァ」

溜息を聞いて、僕の顔を見つめる。

「らしくないな、阿求。いつもの調子は如何したんだ」

「・・・私は、子供で、貴方は、大人で。いつも私ばかり、貴方を付き合わせて・・・迷惑掛けて・・・」

「・・・」

「いっつも、一人で家に籠って、本ばっかり読んで、貴方に言われても悪口ばかり返して、それで、それで・・・」

段々と声がか細くなっていく。

眼には薄らと、涙を浮かべて。

・・・全く、世話の焼ける・・・

「だから・・・その・・・あの・・・え?」

片手で彼女の頭を押さえつけると、目を丸くして動かない彼女の額目掛けて


すぱーん。


「~~~~~~~~!!」

指で弾いただけで、この快音。
うん、ここ数年でも会心の一撃だったな。

「何が『会心の一撃』ですか!!人が真剣に話を・・・」

「おや、口に出ていたとは。失礼」

「ッ・・・この馬鹿半妖!!お前なんかこの、この、!!」

そう言って馬乗りになったまま、僕の頬を引きちぎらんばかりに両手で掴み掛かった。

一方的に攻撃されるのも癪なので、負けじと僕も阿求の顔をつねる。

「ふぁなしなさひ!!」

「そっちが先に離したらな」

「ふぉざけるなー!!」

お互い罵り合いながら顔を真っ赤にすること数分。

「本当に、はぁ・・・何なんですか、もう・・・」

ようやく顔から手を離すと、そのまま僕の上に倒れこむ。

「何、随分と悩んでいるように見えたんでね。少々お節介をさせてもらった」

「・・・?」

「今回の件、僕が引き受けたのは、君の両親にも頼まれていたからなんだが」

「・・・まあ、そうですね。大体見当はついていましたが」

「君のご両親、君について何て言っていたと思う?」

「・・・?」

「『あの子にはまだ、子供でいて欲しい』って、ね」

「・・・え?」

「一応言っておくが、君の事を貶して言ってるんじゃあない。君の事を想っての言葉だ」

「・・・どういう意味、ですか?」

「君は御阿礼の子として生まれ、我々にに比べてほんの僅かな生涯を、一冊の書のために費やす」

「それが私の仕事ですから」

「もちろんその業は誇るべき事なのだろうが、君の両親はその事を悲しんでいたよ」

「・・・・・・?」

「『あの子に、人並みの人生を送らせてやるだけの時間を与えてやれない事、それが悔しい』とね」

「・・・・・・」

「君が大人になって、友人達と気軽に話して、遊んで、誰かを想う、それだけの時間を満足に与えてやれない自分たちに、何が出来るのか、彼らはいつも考えていたそうだ」

「・・・・・」

「考え抜いた末に二人は決めたんだよ。君が編纂を始めるギリギリの年齢まで、君を子供として愛そうと」
「・・・・」

「時が来れば、君は責務を果たさねばならない。だから君が子供で居られるうちに、普通の一生の何倍、何十倍も愛すると。時間が無いのなら、1日が何年分、何十年分にも感じられる程の楽しさを与えてやりたい、と」

「・・・」

「しかし、君は皆の予想を上回る様に、大人びて成長した。周囲の者から、子供扱いは君に嫌な思いをさせるだけなのでは、なんて意見も出る程にね」

「・・」

「そこで、面識の在る僕が呼び出されたのさ。君がこのまま大人で居たいのか、それとも限られた時間を子供として過ごしたいのか、見極めて欲しいと」

「君は自分への使命感から、大人で在らねばならないと考えている様だが」

「」

「本当に君は、このまま大人で居たいのかい?」

「・・・・・・・、で、す」

「・・・」

「・・・や、です」

「・・・どうなんだい?」
途端、

「・・・やだ、嫌だ、嫌だヤダヤダッ!!」

堰を切った様に、叫ぶ。

「・・・そうか」

「もっと、あそんで、いっぱいおはなしして、すきなひとといっしょに、いっしょにっ・・・」

「・・・わかった、もう良い。それが解れば、十分だ」

グショグショの顔を袖で拭ってやって、一呼吸置く。

「君はもっと甘えても良い。限られた時間を、他の者より何倍も楽しんで良い」
ゆっくりと、諭す様に紡ぐ。

「だからもっと、周りの大人を頼れ。里の者たちも、ちゃんと解ってくれているのだから」

この子がもう、

「さてそれでは手始めに、僕に何か」
スポンサーサイト
  • Date : 2010-09-12 (Sun)
  • Category : SS
0

Comment

Comment Form

Comment Form
管理者にだけ表示を許可する
0

Trackback

Trackback URL

検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
Return to Pagetop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。