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つくろいもの


それは、とあるいつかの昼下がり。




「らったったったた~ららったった…んお?」

吸血鬼の妹に教わった歌を止め、ふと足を止めた朱鷺色の妖怪。

何時もの様に上がりこんだ香霖堂の座敷で見つけたそれに、ふと目を惹かれる少女。

その先に有るのは、服の作り手によって、綺麗に折り畳まれ座敷に置かれている、新調された紅白の巫女服。

「これは…うーん…紅白のにおい…アイツのかな?」

興味を持ったか、手に取って広げて、振り回して。

まっ更な布地に見る間にシワが増えて行く。

「んー…そうだ!!」

ふと何を思ったか、皺だらけになった巫女服に腕を通し始めた。

「みこっ!!…えへへ…」

鏡の前に立つと、照れくさそうに一回転。

「よっぷっぷー、よっぷっぷー」

徐々に回転が早くなる。さらに合わせて腕を振り回し始めた。

「るーらららr」

ずりっ

「え?」

言うが早いか、畳に向けて一直線。

どずしゃっ、びりびりびり

「…あいたたた…え?」

見れば箪笥の角にでも引っかっけたのか、袖から胸元に向けて大きく裂けている。

「…へ…?」

一気に青褪める表情。

そして。

とすっ

「ひぅ!?」

静かに肩へと載せられる、女性の手。

朱鷺子は、硬直した。

振り向かずとも肌で感じる、その感情を。

鏡越しにこちらを縛る、悪鬼の如き形相を。

飛び切りの微笑みで、鏡の中の彼女は微笑む。

「つ ぶ す」

「ごっごごっごごごっg」



みぎゃー



「…それで、こうなった、と」

「自業自得よ。人の物に手を付ける奴が悪いわ」

「…自分で言って、何か恥じることがあ」

「無いわ」

「…」

「あうう…」

チクチクと、店主に借りた裁縫道具で裂けた箇所を縫い付ける。

「しかし、何でまた…」

「本当。わざわざ新しいの台無しにしてこの馬鹿は…」

「ご、ごめんなさい…」

「で、なんであんな事してたのよ。碌な理由じゃないでしょうけど」

「…ちょっとだけ、ちょっとだけね?…着てみたかったの」

「何でよ」

「いっつも怒られてばっかりだから、その、一緒の服なら、って思って…」

「仲良くなりたくて?」

「…うん…」

「…ったく…ねぇ、霖之助さん」

「なんだい?」

「あたしのお古、取って有るでしょ」

「ああ、少し小さいが」

「この馬鹿に着せてやって」

「へ?」

「また新しいの破られたら面倒でしょ。お願い」

「ふむ、多少摺り合わせが要るが、大丈夫だろう。出してこようか」

「良いわ、私が持ってくる。アンタもついて来なさい」

「う、うん」

そう告げて彼女が連れて来たのは、古ぼけた小さなの箪笥の前。

「ぼろぼろ…」

「当たり前でしょ、お古なんだから。ほら」

箪笥から持ち出した一回り小さいそれを、朱鷺子に押し付ける。

「あ、ありがとう」

「繕うのはアタシのが終わってからにしなさいよー、ったく…」

「うん、ごめんなさい…」

「それと」

「ふぇ?」

「…大事にしなさい。今度から気を付ける様に、でなきゃ…」

それを聞いて先程の仕打ちを思い出したか、朱鷺子はガタガタと震え出す。

「…解ってるなら宜しい。ほら、さっさと行くわよ」

「は、はいっ!!」

先に戻った霊夢を追う様に、おっかなびっくりと言った動きで部屋を出て行った。





「出来たー!!」

「どれどれ…うん、解れもないな。着ても大丈夫だよ」

「やった!!えへへへ…」

霖之助にお墨付きを貰って、早速袖に腕を通す。

「よっ、と。…どう?似合う?」

「ああ、サイズも大丈夫そうだ。似合ってるよ」

「えへへ、ありがとっ!!…そういえば、アイツは?」

「炬燵で寝てるよ。菓子を喰うだけ喰って」

「ちょっと行ってくる!!」

「だから寝てるって…まぁ良いか。取って喰われる訳でも無いし」

そう言うと手近な本を開いて、彼は書の世界に潜っていった。

「おーい、見て見て…って寝てるし」

そこには、饅頭と煎餅を喰い尽くした巫女の自堕落な寝姿が。

「…おそろい…」

自分と紅白の姿を見比べると、見せつける様に同じ入口から、足を炬燵に放り込んだ。

「おーい…おきろー…」

頬を何度も突付いてみるが一向に起きる気配はない。

やがて諦めたのか、銅まで体を突っ込むと、そのまま寝息を立て始めた。


reitokisasie3.png



「おや」

日が暮れた辺りで読書を切り上げた店主が、様子を見ようと覗き込む。

「…こうしていれば、姉妹にも見えるんだがね。…もう少し大人しくならない物かな」

向かい合わせで互いの袖を引っ張り合う姿は、少し年の離れた姉妹、といった所か。

二人に毛布を被せてやると、店主は静かに部屋を後にした。

二人が起きた後の、騒がしい夕餉を頭に描きながら。





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  • Date : 2010-12-05 (Sun)
  • Category : SS
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