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15

あしたげんきになあれ。(4)

お待たせしました、慧霖の続き。





「急がないと・・・!!」
猛烈な唸りを上げながら、横殴りの風が私の体を打ち据えていく。

服に張り付く雨粒すら鬱陶しい。

薄暗い雨雲に覆われた幻想郷の空を、あの店主の店へと向けて飛んでいく私の顔は、

不安と焦りに満ちた、酷い表情なのだろう。



店の前に降り立つと、ドアの扉が半開きになっていた。
ドアノブに手を掛け、中を覗こうとすると
「やあ、待たせたね。」
不意に、後ろから声を掛けられた。

「ッ・・・驚かさないでください。」
「ああ、済まない。そんなつもりは無かったんだが・・・」
「・・・良いですよ、もう。それで、どうしてこの店へ?」
そう訊ねると、彼は眼鏡の縁を持ち上げて
「あの子には、何かあった際には此処に来るよう言っているからね。
これ以上濡れる前に、店の中に入ろうか。」



初めて入った店内は、箪笥や葛篭が開け放たれ、そこかしこに物が散乱していた。

「これは・・・」
「大方あの子の事だ、必要そうな物を粗方持っていったに違いない。」

そう言うと、彼は周囲の様子を見ながら
「・・・持って行ったのは茶菓子に風呂敷、それから・・・和傘か。あの子も、やはり子供だな。」
「判るんですか?」
「僕が店主だと忘れていやしないかい?」
「ふふ、失礼しました。あの子との様子を見ていると、つい。」
「大人に見えない、だって?まあ、良いさ。それより、この様子では・・・」
同時に、彼の顔が険しさを増した。

「ええ、何を持っていこうと、子供である事には変わりません。早く見つけないと・・・」

只でさえ危険な魔法の森。
脆弱な子供の体力では、到底耐えられないだろう。
時間で考えればまだ早いが、逢魔が刻になれば妖怪たちが跋扈し始める。
今は妖怪と人間の間で協定が結ばれたため、そうそう襲われる事は無くなった。
しかし、理性の無い妖獣や、協定など意に介さない妖怪も少なからず存在する。
そんな者達に見つかってしまえば、どうなるかは考えるまでも無い。

それに加えてこの大雨だ。
これ以上、あの子を森に居させる訳には行かない。しかし、

「一体どうやって探せば……」
木々が鬱蒼と繁る魔法の森は、枝葉によって陽が差さず、空を飛んでも中を窺う事は不可能。
かといって、広大な範囲を宛もなく歩き回れば、その間に妖怪たちが活動を始める。
思案に暮れる私に、彼は

「方法なら有るよ」
「方法なんて無……え?」
「だから有ると言っただろう」
「早く言って下さい!!」

思わず彼に掴み掛かる。

「落ち着いてくれ、慧音先生。その準備の為に此処に来たのだから」
「判りましたから早く!!」
「ちっとも落ち着いて無いじゃないか、全く。教師の君が慌ててどうするんだい」
「っ…貴方は、あの子が心配じゃ無いんですか!!」
目の前の店主は溜め息一つ、
「心配だからこそ、冷静になるべきだ。捜す立場の君が焦っていては、どうにもならないだろう」
私の手を、丁寧に引き剥がすと
「直ぐに準備に掛かる。少しだけ待って居てくれ」
そう言って、店の奥へと向かってしまった。





一人残された店内で、私は彼の言葉を思い返す。

確かに先程までの自分は冷静さを欠いていた。

だが、いくらあの子が賢いとはいえ、所詮は子供だ。

ましてや、自分の大切な人間の子供がこんな状況にあると言うのに。

どれだけ考えても彼がここまで落ち着いていられる理由が、私には解らなかった。



程無くして、彼が戻ってきた。
準備が出来たというので、さっそく魔法の森の上へと移動するらしい。
彼の手には、魔理沙が寺子屋に持って来ていた落書き帳と一枚の御札。

一体何をするのか、と問えば
「あの子を此処まで連れて来るのさ。なあに、直ぐに見付かるよ」
と言ってはぐらかされた。

会話が終わるとほぼ同時、魔法の森の中心部、その上空へとたどり着く。

「あの子があれを持っていったのが幸いだったか。」
御札を目の前に放り投げ、聞き慣れない言葉で一言つぶやくと
「さて、あの子には宙を舞って貰うとしよう。文字通り、ね」


その瞬間、まるで爆ぜる様に。

目の前に巨大な、球体の魔方陣が飛び出してきた。
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  • Date : 2010-05-17 (Mon)
  • Category : SS
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