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編集中。 上海霖 

ゆっくり待っててね!!



上海霖 旧暦 七夕 お盆




じりじりと空から熱気が降り注ぐ夏の日。

香霖堂には、何時もの如く、緩々と読書に励む店主の姿しか無い。

暦は葉月……外の世界では八月と数える、夏の入り。

人里では近いうちに帰ってくる先祖の為に、盆の準備が進む。

そんな中、店のドアを開く小さな影が、ひとつ。

「お邪魔します。店主さんー」

姿を現したのは、森の人形遣いに付き従う、数ある人形達の一体。

「ん……おや、上海じゃないか。今日はどうしたかい」

「アリスに頼まれて、『らくがん』という物をを探しに来ましたー」

「落雁……供える人が居るのかい?」

「今度のお盆にお寺で宴会を開くので、お供え物に丁度良いから、って言ってました」

「なるほどね…解った、いくつか取り置きが在る。持ってくるよ」

「おねがいしますー」

奥へと向かった店主を待ちつつ、ふよふよと漂う彼女。

(相変わらず汚いですねぇ…購買意欲が失せるんじゃあないですかね、初めて来た人は)

自らの主人の研究の一環として、擬似的な自意識を持たされた彼女は、こうして思考し、経験を重ねている。

とは言え日常生活の中で彼女が考えることといえば、研究に執心する彼女の世話や、毎日の家事のことが大概なのだが。

まるで自堕落な生活をする息子の自宅に上がりこんだ主婦のような目線で店内を眺める目。

「……ん~?これはー…」

ふとその視界に映ったのは、世間からすれば少々時期意外れな植物。

「どうかしたい?」

「あ、店主さん店主さん。これって・・・」

「ああ、笹だよ。七夕のね」

「七夕って・・・もうやりましたよね?先月」

そう、彼女の言うとおり、先月七夕祭りと称した宴会が。

「ああ、それは今の暦の日付だよ。本来は今日なんだ」

「?……今日は…ええと…」

「八月七日。丁度一月遅れだ」

「そーなのかー」

「そういうボケはいい」

「えー」

「ともかく、時期で言えば本来は今日なんだよ。昔は盆を迎えるための一行事だったんだ」

「ほほう」

「七夕は元々、『棚幡』と呼ばれ、故人の魂を迎える精霊棚や幡を拵える日だったのさ」

「ほむほむ」

「七日の夕刻に、笹や棚などを安置したことから転じたという」

「かりかり」

「ちなみにお盆中、僧侶に経を読んでもらって報恩する事を棚経参りと呼ぶが、これは精霊棚で読むお経から来て………」

と、ここで、いつもの様に薀蓄を垂れ流す店主の口が止まる。

「ずずず…」

「………」

「ぷはぁ…おいしかった…」

皿に分けて置いた落雁をすっかり食べきった彼女は、恍惚とした表情で呟いた。



「…君はアレか。そういう教育をアリスに受けているのかい?」

「味見ですよ、味見。店主さんもそのつもりで出したんでしょう?」

「いや、自分で食べる気だったんだが。というか君、食事できるのか」

「ええ、中で直接魔力に変換してます。某未来のネコ型ロボット方式で」

「…そのネタ使って大丈夫なのか?」

「何かあったら作者を盾にして逃げますからご心配なく」

「……まあ、いい。味見したからには、きちんと買い取って貰おうか」

「まあ買うの前提で食べましたから。実際美味しかったですし」

「お買い上げありがとう御座いますお客様」

「じゃあ、3つ包んでください」

「ん?一つじゃないのかい?」

「贈答用、アリス用、私用に」

「そこまで気に入ってもらえたなら嬉しいね」

「ええ、お願いします。ところで」

「ん?」

「お一人でなさるんですか?七夕」

「まぁ、ね。実際、暇潰しみたいな物だし」

「…もし良かったら、お邪魔しても?」

「…構わないが、良いのかい?アリスとか」

「最近新しいオプションを開発中の様で、家に篭もりきりなんですよ。家事自体は他の人形たちがやってますし」

「そうか。なら、陽が暮れた辺りにまた来てくれ。準備をして置こう」

「はーい。それじゃあ、今晩お邪魔しますっ」

「ああ、待っているよ」

「少々、安請け合いしたかな・・・まあ、良いか」

カランカラン。

「お邪魔しまーす。本日二度目ー…」

「ああ、此方に来てくれ。庭の方だ」

「はいはい、っと…おおう」

「まさか人を迎えて行うとは思わなかったからね、大した物も無くて済まない」

「いえいえ、十分ですよ。私も色々持ってきましたし、丁度良いですよ」

「ありがとう…さあ、呑もうか」

「そうですね…あ、注ぎますよ」

「おっ、と。重ね重ね、済まないね」

「お邪魔してるんですから、これぐらいは当然ですよっ」

「…君は本当に出来た娘だなぁ…」

「そりゃあ、あの家の家事は私が仕切ってますし。嫌でもこうなりますよ」

「あの娘達にも見習わせたいものだ・・・」

「それはそれで、違和感が有るなぁ・・・ふふ」

「もう少し常識を考えて欲しいものだが・・・全く」

「まぁまぁ、それくらいにして置いて、先ずは一杯、如何です?」

「・・・そうだな、戴くとしよう」

「では・・・乾杯っ」

「ああ・・・、乾杯」

カランッ。

小気味良い音を立てて、グラスが鳴る。

「・・・ぷっ、はぁ・・・」

「・・・良い酒だ」

「でしょう?家の地下室から態々引っ張り出してきたんですから」

「ああ、ここまでの清酒は久しぶりだ・・・何処でこれを?」

「以前のお祭りの出し物で、町の人がお礼に、って。丁度その年は豊作でしたしねぇ」

「なるほど・・・」

「ささ、もう一杯」

「有難い、戴こう」

とくとくとく。

「こうして呑むのも久しぶりだな・・・」

「そうですね・・・基本、アリスが宴会なんかで家を空けないと無理ですし」

「今日は話して来なかったのかい?」

「作業に没頭してる所に水を差すのも悪いですし。夜食と書置きは残して置いたので、大丈夫ですよっ」

「・・・本当に出来た娘だな・・・」

「大事な事なので2回言いました」

「そういうのが無ければ、な」

「ぶーぶー」

「一言余計だよ」

「良いじゃないですかー、可愛くて」

「・・・どこが?」

「ひどい!!ううう・・・」

「悲しむフリなど止せ。というかハンカチどっから出した」

「こんないたいけなしょうじょをはずかしめるなんて、てんしゅさんはほんとうにおにちくですね!!」

「・・・いつまで続くんだい?」

「だって店主さん乗っかって来るから・・・」

切り上げるように、残った酒を一息に呷る。

「酒のせいだよ」

「そうですか」

「そうだよ」

数瞬の間の後に、空になったグラスへと酒瓶を傾ける彼女。

「どうも。…なんだか注がれてばかりだな」

「自分で飲むより、人にお酌するほうが好きなんですよ、私」

「まあ、わかる気もするがね」

「ほう?」

「誰かの世話ばかりしているから、いつの間にかそれが趣味になってしまった、とか」

「それを貴方が言いますか」

「ん?どうして?」

「…へぇー…」

「…何だいその反応は」

「自覚無かったんですか」

「…まさか、あの二人の事か」

「だって、そうでもなきゃあんなに面倒見ないですよ、普通。妬けちゃいますよー、皆」

「確かにまあ、面倒は見るが…何も趣味にした覚えは無いぞ」

「この前なんて、二人とも当然の様に語ってましたし。」
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  • Date : 2010-09-12 (Sun)
  • Category : SS
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